仙台でトレーニングコーチをしている市山です。
宮城県南三陸町にあるベイサイドアリーナで「ベイサイドカップ」という高校女子バレーボールの大会が開催されました。そこで、参加選手全員に向けて、トレーニングセッションを行なってきたので、今回はその内容をご紹介します。
主に身体の使い方を中心に、バレーボールに繋がるトレーニングを4種目行ないました。
目次
スパイクやブロックの際、腕に力をしっかり入れる方法
まずは、自分の状態を確認してみましょう。
ペアと向かい合い、お腹の前でギュッとお互いの手を握ります。
片手を頭の高さまで上げて、同様にギュッと手を握ります。
頭の高さで握った際に力が入りにくい、力が抜けるという人は、スパイクやブロックの際にも力が抜けやすい傾向にあります。その原因はスパイク時にアゴが上がっていたり、顔が前に出ていたりすることによるものが多いです。
ではどうすれば防げるでしょうか?
4つのポイントを行なうだけで力が入りやすくなります。
- 耳を引っ張る
- アゴのまわりをほぐす
- 耳たぶの後ろの筋肉をほぐす
- 後頭部の筋肉をほぐす
1つずつ説明していきたいと思います。
耳を引っ張る
両耳を➀上②真ん中③下(耳たぶの位置)と引っ張り、1番痛いところを中心に引っ張ります。
→ 平衡感覚を整える効果があります。
(片脚立ちなどのバランスが悪い人は、これを行なうことでバランス感覚が高まります。)
アゴのまわりをほぐす
耳の穴から前のくぼみ(口を開けた時に指が沈むところ)をアゴの方に向かって押し下げます。これをアゴの角まで行ない、痛いところを中心に、痛くなくなるまでほぐします。
→ アゴが徐々に後ろに下がるので、痛みがなくなってくると口が開きやすくなります。
耳たぶの後ろの筋肉をほぐす
耳たぶの後ろにある出っ張っている骨のきわ(胸鎖乳突筋と言われる筋肉)を前から後ろに押しながらほぐしていきます。押しながらめまいがしない程度に頭を横に倒します。
→ 空中でバランスを取りやすくなります。
後頭部の筋肉をほぐす
後頭部を上からなぞった際にくぼむところを両指で挟みこむようで圧迫します。圧迫しながら頭を横に傾けたり、口を少し開けたりします。
→ アゴが後ろに引きやすくなります。
以上4つのポイントを行なって、もう一度ペアの人と向かい合って手をつなぎ、片手を頭の高さまで上げてギュッと握り力の入り方を確認します。
頭の高さの位置でも力が入りやすくなってませんか?
入りやすくなったという人は普段から首が前に出てしまったり、アゴが上を向いて行なっている可能性が高いです。
パワーポジションの作り方
アスレティックポジションとも言いますが、力が入りやすく、いつ、どの方向にでも動きやすい姿勢(つまり、一番動きやすい姿勢) のことを言います。この姿勢からズレると、上手く力が発揮できなかったり、動き出しが遅れてしまったりしてしまいます。
パワーポジション姿勢を作るには、
・両手を股関節のぽこっと出ているところに置きます。
・小指あたりが付け根に挟まるくらいまで上半身を45度に背すじを伸ばしたまま傾けます。
・そのまましゃがむように曲げます(膝をつま先の上にくるくらい曲げます。)
・横から見た時につま先・前もも・肩が1直線上になるようにします。
※重心が足の真ん中(舟状骨)に乗っていて、お尻に力が入っていれば正しい姿勢が取れています。
この姿勢がいつでも取れるように出来ていると、力を発揮しやすく、どの方向にも素早く動けるようになります。
股関節の可動域を改善させる動作
股関節の可動域が悪いと、動作が制限されるだけでなく、ケガも起こりやすくなってしまいます。
そのような状況を防ぐために、本来の股関節の可動域に近づけてプレー出来ることが望ましいです。今から紹介する動作は、動きはじめの際に「股関節を外旋させてから動く」というものです。
片脚を腿上げのように上げ、つま先を外側に向けるように股関節を広げます。
そこから大きく足を横に出してサイドランジのような状態になります。逆足(伸ばしている足)を開いた足の方に引きつけるように戻します。
これを左右交互に5回行ないます。
股関節の動きが悪い人ほど、やり終わった後に股関節まわりがつりそうな感じになります。
1歩目の動き出しを素早くさせる動作
スポーツにおいて1歩目の動き出しは、とても重要な動作の1つになります。1歩目が遅れてしまうと追いつけたはずのボールや拾えたボールが拾えず、得点につながってしまいます。無駄なく、素早く動けるということが大事になってきます。
通常のステップ動作を行なうときは、肩幅くらいの幅から動く方向に足を出して動くというのが一般的だと思います。
そのステップ動作を行なう際に半歩から1歩、ボールの方向とは逆側に足を出してから動かすと、より素早く動けるようになります。実際にステップ姿勢を取って行なってみてください。
どうですか?通常時のステップより床を蹴りやすく、動きやすくないですか?
ボールの方向にそのまま動いた場合よりも、逆に足を出したほうが床の反発を利用しやすくなるためです。また、すねの角度がつくりやすいため床を強く蹴りやすく、より強い力を発揮しやすくなるので結果として素早く動けるようになります。
この蹴り方を身につけるためにペアを組み、ペアの相手に動く方向を左右ランダムにシグナルを出してもらってステップとするという練習を行なってみてください。
※この時に上に跳ねるように蹴って動いてしまうと、床からの反発力が減ってしまうので、遅い動作になってしまいますので気をつけましょう。
まとめ
身体の使い方を中心に、バレーボールの練習前にできる4つのトレーニングメニューを紹介しました。
場所を取らずに、すぐ出来るトレーニングばかりですし、時間もあまりかかりませんので、練習や試合前のウォーミングアップの中に取り入れてみてください。
もちろん、全部出来るにこしたことはありませんが、自分に1番必要だと思うものだけ行なっても構いません。
自分の身体を理解して、使いこなせるようになった時、力はより発揮できます。
ぜひ試してみてください。
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