なぜウォーミングアップとクールダウンが必要か?効果と必要性について

仙台でトレーニングコーチをしている市山です。

まだまだ暑い日が続いてますが、身体の調子はどうですか?
身体の疲れが抜けていない部活中バテやすいといった悩みはありませんか?
その原因は、練習前の準備や練習後のケアにあるかもしれません。

今回はウォーミングアップとクールダウンの重要性をお話ししたいと思います。

ウォーミングアップの目的や効果は?


ウォーミングアップの目的は「体温・筋温をあたためて身体を動きやすくする」「ケガを防ぐためにおこなう」と大きく分けると2つあります。

体温・筋温をあたためて身体を動きやすくする

Warm(ウォーム)=「あたためる」というように、身体の体温や筋肉の温度を上げて血液の循環を良くすることで動きやすい身体にするという目的があります。

例えば体温が1℃上がると細胞の代謝率が約13%増加すると言われています。

筋温が上がることによって、筋の収縮や出力特性を高めることができ、より大きな筋パワーの発揮が期待できます。

ケガを防ぐ

ウォーミングアップを行なうことで、関節や筋肉が動きやすくなり、動いた際の身体の衝撃を受け止めることができ、身体の負担を減らすことが出来ます。

例えば冷蔵庫の中のお肉をイメージしてみてください。冷えていると、触ったときに固いですよね。反対に常温のお肉は触ったときに沈むと思います。

どちらのお肉の方が柔らかそうですか?

私たちの筋肉も同じです。ウォーミングアップで温めないと、冷蔵庫のお肉のように固く、筋線維が壊れやすいです。反対にウォーミングアップを行なうと、体温・筋温が上がり、筋肉は伸長しやすくなります。そのため、筋線維は壊れにくくなり衝撃を受け止めやすくなるのでケガのリスクは減ります

ウォーミングアップで何を行なうか?


では具体的にウォーミングアップとして、何を行えばいいでしょうか?

ランニングやストレッチ、ダッシュなど様々な要素が考えられますが、一番効果が出る流れとしては

  1. スタティックストレッチ
  2. ランニング
  3. ダイナミックストレッチ
  4. 細かい動きやダッシュなど

以上の順番で徐々に体温・筋温や心拍数を上げていき、血流の循環が全体に巡るように20分から30分くらいを目安に行なうと運動開始時からのパフォーマンスを発揮しやすくなります。

※スタティックストレッチだけのウォーミングアップは、ダイナミックストレッチを含めたウォーミングアップと比べてパフォーマンスが落ちるというデータも出ています。

それぞれについて説明します。

スタティックストレッチ

静的ストレッチとも呼び、筋肉や関節を動かさずにゆっくり伸ばすストレッチのことを言います。

ゆっくり伸ばすことで固まっていた筋肉が徐々に緩み、柔軟性の向上が期待できます。

ランニング

急に走るのではなく、徐々にスピートを上げながら心拍数が上がるように走ります。目安は息が上がって「話しながらは走るのが苦しい」くらいのスピードが良いでしょう。

ダイナミックストレッチ

動的ストレッチとも呼び、大きく動かしながら筋肉の伸縮を繰り返すことによって、体全体を温めて血行を促進し、筋肉の柔軟性と関節の可動性を高めます。

細かい動き

ダイナミックストレッチまでで筋肉の柔軟性や関節の可動域が上がってきたら、競技に結び付くような細かい動きを入れましょう。横の動きがある競技ならばサイドステップなどです。

クールダウンの目的や効果は?


クールダウンの目的は「疲労回復」「障害予防」の2つに大きく分けることができます。

運動中は交感神経が優位に働き、心拍数が高く興奮状態になっています。クールダウンは徐々に体温や筋温・心拍数を通常の状態に戻し、疲労した筋肉をゆるめることを目的に行いますが、身体をゆるやかに落ち着かせることによって、副交感神経が優位に働くようにする効果があります。

クールダウンで何を行なえばよいか?


ウォーミングアップに対してクールダウンは次のように行ないます

  1. ジョギング/ジョグ
  2. スタティックストレッチ
  3. マッサージを受ける/サプリメントの摂取

以上の順番で徐々に体温・筋温や心拍数を下げていくのが理想です。

ジョギング/ジョグ

ゆっくりとしたスピートで心拍数や呼吸を整えていくように、5分から10分程度行なうくらいがいいでしょう。30分以上などあまり長い時間行なってしまうと軽運動となり、逆に筋肉の回復を遅らせてしまうおそれがあります。

スタティックストレッチ

スタティックストレッチはウォーミングアップの時に述べたようにゆっくり伸ばすことで疲労した筋肉が徐々に緩み、柔軟性の向上が期待できます。練習や試合後は時間をかけて反動をつけず、筋肉が徐々に緩んでいるのを感じるくらいの感覚で行なうことが望ましいでしょう。1ストレッチに対して、20秒から30秒程度時間をかけましょう。

マッサージを受ける/サプリメントの摂取

マッサージを受けることやサプリメントの摂取も回復を早める大事なクールダウンです。

運動後、すぐに炭水化物やタンパク質を摂取することで筋肉の疲労回復を早めることができます。理想は、食材で摂ることですが、家までの距離が遠い人もいると思います。ジョギングが終わった後やストレッチ中にタンパク質や炭水化物のサプリメントを摂ることをおすすめします。

まとめ


運動前のウォーミングアップの重要性は、多くの人が理解しているのに対し、クールダウンの重要性は広がっていないように思います。
部活動だと練習時間に限りがあるため、クールダウンは各自に任せているケースも多く、ウォーミングアップに比べ、全員が同じように行なっているかというとそうではないことが多いように感じます。

学生スポーツに取り組める期間は限られています。ケガをせず、次の日も同じようにパフォーマンスを発揮するためにも、ウォーミングアップとクールダウンはどちらも非常に重要です。

練習メニューの中にどちらも割り当てて行ないましょう。

Achievementでは練習前後のコンディショニングやセルフケアなども競技特性に応じたメニューを提供しています。どのようなメニューを行なえば分からないという方はぜひ1度ご相談ください。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

PAGE TOP