【1日に複数試合行うとき】試合間でできるセルフケアやテーピングの重要性

仙台でトレーニングコーチをしている市山です。

今年の夏も南三陸町志津川にあるベイサイドアリーナにて行われた、女子・高校バレーボールの「ベイサイドカップ🏐」にトレーナーとして参加してきました。前回の大会ではトレーニングセッションも行いましたが、今大会は施術を中心に行ないました。

今大会は12チームが出場。2日間の総当たり戦だったため、蓄積疲労などで膝や足が痛いと訴える選手が後半になるに増え、大会中多くの選手の対応をしました。
次の試合までの間隔が短いため、短時間で施術をして予防のテーピングを巻いたり、自分で出来るセルフケアを伝えなければならず、かなりバタバタしてました(^^;

今回私が、試合間の限られた時間で行った施術やテーピング、セルフケアをご紹介したいと思います。

施術

今回の大会中は幸いにして、大きいケガがなく終えました。急性のケガとしては、他の選手の足に乗ってしまったことによる捻挫だけでした。その他は連戦による蓄積疲労から「足がつりそうになった」「体が全体的に重い」「下半身の張りが強い」といったものから、元々痛めていた膝や腰の痛みが強くなったという症状でした。
多くの選手を施術していて感じたことがありました。それは「反り腰」の選手が多いということです。元々痛めていた部位は腰、膝、足首、肩などさまざまでしたが、共通して反り腰という状態でした。
反り腰の選手は骨盤が前に倒れる傾向にあり、腰を反って身体をまっすぐにしようとバランスとるため、上位腰椎に負担がかかってしまいます。また、骨盤が前に倒れるということは股間節が内側に入りやすく、膝が外に開く(ニーイントゥーアウト)状態になります。体を支える場所が捻じれてしまうため、負担がかかりやすく痛みに繋がります。

テーピング

テーピングは①痛めた箇所をサポートしたり、痛みの軽減を目的としたものと②ケガ予防・防止を目的とした2タイプのテーピングを、選手に合った内容で行いました。

痛めた箇所のサポートテープ

試合間の限られた時間の施術では、痛みを完全になくすのは難しいです。また、プレーをしていく中で負担がかかり、徐々に痛みが出てくることも考えられます。しかし、少しでも痛みを抑えたり軽減すれば、選手は思い切ってプレーをすることができます。
少しでも負担を減らしてあげるために、そういった選手にはサポートテープを貼りました。
選手のなかにはテープを貼れば痛くないと感じることもあるため、その後のケアを怠る人がいますが、「治ったわけではないからね」と必ず伝え、注意喚起をしています。

ケガ予防のテーピング

一日に何試合も行うと、当たり前ですが、蓄積疲労になり、筋肉に酸素が回りにくくなります。その結果「足がつる」状態になってしまいます。バレーボールの場合は、跳ぶときに使うふくらはぎに特に負担がかかりやすく、足をつってしまう場合が多いです。
足をつらないまでも、明らかに負担がかかっているなと感じたり、「つりかけました」など選手が訴えてきた場合は「つり予防のテーピング」を巻いてあげます。
足がつる以外でも捻挫癖があり、足関節が緩くなっている選手には制限をかけすぎない程度の捻挫防止のテーピングを巻きました。

セルフケア

3,4試合目や2日目になると乳酸が蓄積されて、疲労が抜けにくくなります。特に下半身は何度も跳んだり、レシーブでしゃがんだりと負担がかかるため、思うように動かしにくくなります。

施術に訪れた選手達には、試合の合間で簡単に出来るケアや宿泊先に戻った際にできるセルフケアを伝えました。

足の裏のケア

跳ぶ際に床を強く蹴って跳ぶため、足の裏に負担がかかります。その負担が大きいと足の裏の筋肉が硬くなり、偏平足のように足の裏のアーチがなくってしまいます。その状態になってしまうと、衝撃を吸収することが難しくなるため、足の裏全体に負荷がかかってしまい上手く床を蹴ることができなくなります。その結果、足首や膝を痛めたり、つりやすい状態になります。
その状態を緩和させるため、足の裏でテニスボールやスプレー缶をコロコロと転がしたり、圧力かけたりして足の裏の筋肉をほぐします。痛みが強い選手ほど負担が大きい証拠ですので、ゆっくりと時間をかけて行うように伝えます。

腸腰筋のケア

腸腰筋はインナーマッスルの一つで上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉です。この筋肉が硬くなったり、上手く働かないと足を持ち上げたり、身体を支えることができなくなり、その周りの腰や股関節などに負担をかけてしまいます。また、骨盤の前傾につながり、反り腰や猫背姿勢の可能性を増加させてしまいます。
セルフケアとしては①片膝立ちになり、脚を前後に開く後ろ脚の股関節を伸ばすように重心を前にかける15秒から20秒伸ばす
※腰を反らないように気をつけながら行いましょう

臀筋群(でんきんぐん)のケア

下半身の中で一番大きい筋肉はお尻の筋肉です。一番力を発揮できるところでもあるので、臀筋を上手く使えるかどうかによって、高く跳べるかが決まります。そのため、臀筋群が硬いと力を上手く発揮することが出来ず、周りの筋肉への負担もかかるため、疲れやすくなってしまいます。
足の裏のケアと同じように、テニスボールなどの硬いものをお尻の筋肉(特に外側にある中殿筋)に当てて圧迫したり、ゴロゴロ動かして筋肉をほぐします。力でやろうとすると、筋肉が防御反応として反対に硬くなってしまうので、徐々にほぐすように痛気持ちいい程度の強さで行うことが望ましいです。

まとめ

今回の大会期間を例に、施術からテーピング・セルフケアとケガを軽減したり、予防する方法をお伝えしました。総体や新人戦などの公式戦は多くても1日に2,3試合だと思いますが、練習試合などでは1日に何試合も行うことは多いと思います。
普段からケガの予防、対策を行っているかどうかはパフォーマンスに大きく影響します。セルフケアは誰でも簡単に出来るものを紹介しましたので、ぜひ選手一人ひとりが自分の身体と向き合って取り組んでほしいと思います。
アチーブメントではトレーニング指導だけでなく、ケガ防止のためのストレッチやケアなどのセミナー、大会時のトレーナー帯同なども行っていますので、気軽にご相談いただければと思います

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